土浦全国花火競技大会に行ってきました。今年は大曲の花火でやっている花火鑑賞士による花火セミナーを土浦でも開催するらしく、少し早めに家を出て向かってみた。
花火会場から徒歩10分ぐらいの土浦市立図書館で開催しており、土浦の花火の歴史や競技内容、見所などを映像を使いながら説明していく。どうやら第1回目の部では満員で入れない人もいたそうだ。
今回の参加者は土浦の花火に初めて来た県外の人が多く、花火の知識に非常に関心を持っているのが伺えた。

花火鑑賞士による花火セミナーin土浦
その後は、まだ撮影場所の確保をしていなかったので会場へ向かう。定番の田んぼには三脚が溢れており、目ぼしい場所は既になかったが、何とか色々と歩き回って良さ気な場所を確保。
18:00より打ち上げ開始。桟敷席であれば、花火師登場のパフォーマンスが見れたりするのだが、こちらからはスターマインが見えるだけになってしまう。一度ぐらいは桟敷席で見てみたいのだがコンパネで作られている為、他の観客が歩き回ると揺れてしまい、場所によって撮影は絶望的なのだとか…。

オープニング 花火師登場
競技の内容は3種目あり、大曲と同様に内閣総理大臣賞が授与される。但し、総合優勝ではなく各競技の優勝者から選ばれるのが少し異なる所で通常はメイン競技であるスターマインの部の優勝者が多いです。
10号玉の部 10号玉1発での競技
創造花火の部 5号玉7発での競技
スターマインの部 2分30秒以内に2.5号から4号玉を数百発使用
なお、以前はスターマインの部は幅40m以内での競技だったのが今年から打ち上げ幅が広がったとか…。
10号玉の部
優勝 (茨城県)野村花火工業 昇り曲導付五重芯変化菊
準優勝 (長野県)紅屋青木煙火店 昇り曲付四重芯変化菊
特等 (山梨県)齊木煙火本店 虹色のグラデーション
1等 (長野県)小口煙火 昇り曲付輝灯姫菊
以降、2等、3等、優秀賞と続く。
10号玉の部では優勝者の野村花火工業が納得の順位だった様に思う。綺麗な六重の円を描き、観客からも驚きの声が聞こえていた。ただ、この部門は全国から45業者も参加しているので、審査員の方は全ての作品を覚えて審査しているのかは謎な部分です。
あと近年では、時差式の花火だったり、特殊な型物花火だったりと花火師さんの創意工夫がみられる作品があるので大曲の花火みたいに自由玉の部を新設しても良いのではと思っています。

優勝(茨城県)野村花火工業 昇り曲導付五重芯変化菊

準優勝 (長野県)紅屋青木煙火店 昇り曲付四重芯変化菊
創造花火の部
優勝 (秋田県)小松煙火工業 カメレオンボール
準優勝 (宮城県)芳賀火工 トリプルアクセル
特等 (新潟県)片貝煙火工業 越後の金箔蒔絵調華絵巻
1等 (秋田県)北日本花火興業 ノートルダム大聖堂のステンドグラス
以降、2等、3等、優秀賞と続く。
創造花火の部では、まず全体的にレベルが低すぎると感じました。特に型物花火については形が何かわからない様なものが多数打ち上がり、観客がガッカリしているのが伝わってきました。
これも一つのきちんとした競技内容なので、技術的に難しいのであれば、割物花火にして勝負した方が幾分マシなのではと思ってしまいます。
しかし、そんな中でも準優勝の芳賀火工の作品は群を抜いていました。円を描きながら順番に火が点き、しっかりと3回転。トリプルアクセル大成功!タイトル通りフィギュアスケートの技を見事に演出していたのは流石です。

優勝(秋田県)小松煙火工業 カメレオンボール

準優勝(宮城県)芳賀火工 トリプルアクセル
スターマインの部
優勝 (長野県)紅屋青木煙火店 Rock On!(ロックオン!)
準優勝 (山梨県)齊木煙火本店 新たな門出に花束を
特等 (茨城県)野村花火工業 夜間飛行 ~きらめく星の世界へ~
1等 (群馬県)菊屋小幡花火店 まだ見ぬ世界をもとめて
以降、2等、3等、優秀賞と続く。
スターマインの部は、流石、メイン競技だけあって各社見応えのある内容でした。しかし、優勝者の紅屋青木煙火店の作品は悪くはありませんでしたが、もっと凄い業者が沢山あった筈なので、正直、審査には疑問です。
あえて、個人的に良かった業者を何点か上げると、齊木煙火本店、野村花火工業、高田花火工業、加藤煙火と言った所でしょうか。
特に準優勝の齊木煙火本店の競技には一番感動しました。神明の花火で打ち上げた競技のアレンジバージョンではありましたが、演出を変えて目新しさもあり、最後の眩い虹色は流石のクオリティーでした。

優勝 (長野県)紅屋青木煙火店 Rock On!(ロックオン!)

準優勝(山梨県)齊木煙火本店 新たな門出に花束を
そして、特別プログラムであるワイドスターマイン土浦花火づくし。あくまでも競技がメインの花火大会ではありますが、一般の人はこれが楽しみで来ている人も多いのでしょう。
今年は形の良い8号玉を使う事によって全体のバランスが取れて、見栄えがよいスターマインになったと思います。特に終盤は青を基調とした花火で僕好みの内容でした。

土浦花火づくし
最後はエンディング花火として7号玉を85連発。競技に出た業者が持ち寄った花火玉が次々と打ち上がる。花火だけを見て煙火店の判別は相変わらず難しいです(泣)

7号玉85連発
やはり競技大会は色々な花火が見られるので満足度が違いました。普段は主催者の意向などで打ち上げ数にこだわり、品質の良い花火を打ち上げられない煙火店もきっとあるでしょう。競技大会で優秀な成績を収めると仕事が増えるのもあって花火師さんもこの日の為に本気で準備しています。
ただ、土浦の花火は長丁場なので気持ちはわかるのですが、是非とも最後までしっかりと見て貰いたいものです。飽きてしまって遊んでる人、途中で帰ってしまう人、多過ぎです!
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