京王電鉄株式会社では、京王アカデミープログラムと称して、京王沿線の文化資産を活かし、各学校や団体などと連携して文化・教育・子育てなどを一般の人が学べる機会を定期的に実施している。

今回、その対象に選ばれたのが花火である。京王沿線で言うとやはり調布花火大会が有名であり、僕も今まで何度か訪れた事があります。最大8号玉まで打ち上がり、花火の質も上々で東京都では数少ないおすすめ花火大会の一つになります。

今回は、その担当煙火店である丸玉屋小勝煙火店の四代目である小勝一弘氏と、江戸文化に造詣が深い関係で落語家の林家正蔵氏の対談形式で講演会が行われた。

京王アカデミープログラム 花火講演会

※講演中の撮影は禁止でした

10:00~11:45までの内容で、まずはプロローグとして、小勝社長による「花火の基礎知識」のお話があった。

今回は、花火好きな人と言うよりも、いつも京王アカデミーに参加されている方や落語家が対談をするから来たと言う人が多そうだったので、てっきり簡単な説明だと思っていたのですが、意外とマニアックな話で驚いた。

花火の種類に始まり、花火の製造、打ち上げ(企画・演出)など、花火鑑賞士試験で出る様な内容で、曲とか星など専門用語も普通に出してきた。動画でなく、スライドショーだったのもあってイメージが湧きにくい部分もあり、やはり退屈そうにしている方もチラホラ…。

京王アカデミープログラム 花火の製造についてのパネル

花火の製造についてのパネル

続いて、第一章「江戸から伝わる日本(東京)の花火」ここから、落語家の林家正蔵氏も入っての対談形式になった。

江戸の花火と言えば、8代将軍 徳川吉宗の時代から始まった両国の川開き。知っている方も多いかもしれないが、今で言う隅田川花火大会の原型である。当時は、隅田川の別名である大川の花火と呼ぶのが粋だったらしい。

衝撃的だったのが、昔の花火大会のポスター。まるで習字の時間に書きましたと言わんばかりのシンプルさ。これが街中に貼られていたとは…(笑)

京王アカデミープログラム 花火大会ポスター

花火大会ポスター

また、戦時中に途絶えていた両国の川開きを復活させようと丸玉屋小勝煙火店の三代目である小勝利夫氏が戦後GHQに掛け合った話、再開した昭和30年代には、今はなき枠仕掛け花火の競技大会の話も聞けた。

京王アカデミープログラム 両国の川開き 復活に際しての感謝状

両国の川開き 復活に際しての感謝状

その後、昭和37年からは都市開発問題で再度中断され、昭和53年、新たに隅田川花火大会の名称と共に復活する。やはり花火の歴史には切っても切り離せない日本最古の花火大会になります。

休憩を挟み、第二章「現代の最新花火事情 国内~海外」に移る。実は丸玉屋小勝煙火店は今年の9月上旬~10月上旬にかけて中国のマカオで行われていたマカオ国際花火コンテストで優勝されている。

日本の花火と海外の花火の違いを映像も交えて説明してくれた。やはり日本の花火は1発1発を丁寧に見せる事ができるので、スターマインと組み合わせる事で他の国にはできない演出ができる様だ。

また、日本で言う手筒龍勢の様な花火を伝統文化として行う習慣は海外にもあり、その貴重な映像も見せて頂いた。日本では考えられないスケールの大きさに笑えました。

京王アカデミープログラム マカオ国際花火コンテスト優勝カップ

第28回 マカオ国際花火コンテスト優勝カップ

最後に、第三章「日本文化とは、なんだろう」落語家の林家正蔵氏が考える日本文化とは余韻らしい。

「花火、花見、祭りのように、終わった後の侘しさを味わうもの」であり、どうやら日本文化の原点はそこにある様だ。線香花火になぞらえると妙に納得できる。

また、2020年には東京オリンピックが開催されるので、その時には、日本文化の一つとして日本らしい花火を打ち上げたいとの小勝社長。(担当されるかは分かりませんが…)

色々と中身の濃い時間が過ごせて、1時間45分があっと言う間でした。あと、会場には今年の調布の花火フォトコンテストで入賞した花火仲間の写真も飾られてましたので、ご報告。

京王アカデミープログラム 調布花火大会フォトコンテスト 入賞作品展示コーナー

映画のまち調布”夏”花火フォトコンテスト 入賞作品展示コーナー