花火大会の問題点

古来より、夏の風物詩として人々に愛され、日本の誇るべき伝統文化である花火大会。あって当たり前だと思われていますが、実は数多くの問題点を抱え込んでいます。ひょっとしたら近い将来、花火が見られなくなる日が来るかもしれません。

これらの解決策はあまりにも大きな問題なので、個人でどうこうできるものはありませんが、まずは知って貰える事が大切だと思い書いてみました。

運営予算の減少について

多くの花火大会で抱える最大の問題点です。地方では過疎化が進み税収が少なくなり行政が出す花火予算が削られています。場合によっては全ての費用を民間で賄わなくてはいけない花火大会も増えてきています。

この費用を地域住民の全員が喜んで出している分には構わないのですが、田舎では地域との関係が都市部よりも密接であり、普段からの付き合いにより半ば強制に近いものがあるのは否めません。特に個人商店や中小企業では恐らく資金も潤沢ではないでしょう。

なお、限界集落では人がいない為、そもそも花火大会をやる理由すらなくなってしまい、どこの煙火業者でも小さな現場が減っており、頭を悩ませている状況です。

一方、都市部では人口が集まり過ぎて安全性の問題から警備費の増加により、継続不可になる花火大会も出てきています。税金に関しても花火大会よりも優先されるものが多いのか、予算が上がるなどの話を聞く事はほとんどありません。

また、人が増えれば増える程、マナーの低下が著しく、ゴミの回収・処理費用が増えたり、観覧席の増設なども予算圧迫の原因になり得るでしょう。予算がなければ、花火の品質にも大きく関わってくる問題になります。

広告媒体としての役割不足について

昔であれば企業の広告媒体としても使われていた花火大会ですが、時代が変わり費用対効果としては非常に弱いものになっています。花火大会のプログラムに名前が載っていたり、打ち上げ中に企業名を呼ばれたぐらいでは一般人への認知度も低く、捨て金に近いものがあります。

同じ代金を支払うのであれば、TVCMやWeb広告などの方が十分にメリットがあり、やはり削減の一途をたどっています。花火大会の協賛金には税金が特別に安くなるなどの法律ができない限り、今後の資金集めは次第に難しくなっていく事でしょう。

ボランティアに依存する運営体制について

予算不足から派生する問題で、どうしてもボランティアに依存する運営体制にならざるを得ません。ボランティア=無報酬であり、その代わり責任を負う必要もありません。

仕事の内容は観客の誘導や会場設営、ゴミ拾いなど多岐に渡り、また実行委員の一員ともなると協賛金集め、ポスターの配布、PR活動など実生活に支障が出てしまう程の重労働になる事もあります。

勿論、全員とは言いませんが、仕方なく持ち回りでやっている人も多いので、どうしても注意散漫になり、いつ事故などが起こってもおかしくない状態でもあります。

花火の認識度について

いつの時代からなのかは分かりませんが、煙火業者と観客には花火について認識の大きな差が生じています。勿論、プロとアマチュアなので当然なのですが、あまりにも酷い状態だと感じています。

特に花火の競技大会では、どれだけ研究を重ねて新しい物を作ったとしても、観覧者側に花火の知識がない為、大半の観客には「珍しい花火だね」で終わってしまいます。花火師側も長年、多重芯や色の変化など、一般の人には認識する事すらできない花火を制作し、観客目線ではなく自己満足で技術力を鼓舞し続けていたのも原因だと感じています。

その結果、多くの花火大会では花火の内容はどうでもよく、花見などと同じ様にその場の雰囲気を楽しむ為のものと言うのが一般大衆の認識となってしまっています。花火はどこの地域で見ても同じだと思われていたり、安い海外製の花火を一斉に打ち上げた方が喜ばれるなんて、作り手からすれば酷くガッカリした状況も多々あります。

やはり、手の込んだ素晴らしい作品にはしっかりとスポットが当たり、花火師の努力が報われる様な環境が広がって欲しいものです。また、花火業界側としても昔の様な秘密主義ではなく、多くの観客に花火の価値を認識して貰える様に知識や情報提供をもっとオープンにするべきなのではと思っています。

花火の適正価格について

向上心のある煙火業者は日々新しい花火を研究し開発にも力を入れています。花火大会の内容も年々、手の込んだ物が使われ、観客側としては大変有難い限りです。

しかし、いくらいい作品・演出を使ったとしても、花火大会の予算は予め決められており、金額が急激に上がる事はありえません。毎年、技術力だけが求められ、煙火業者側はそれに見合った適正な報酬を得られていないと感じています。

また、花火競技大会にしても出品料や賞金も低く、かなりの低予算でやっており、名誉以外はとても割に合うものではないと言う話を聞きます。受賞したからと言って仕事が急に増える訳でもなく、せいぜい営業の際に少し役立つぐらいが現実的な所らしいです。

人が命懸けで作っているものに対して値引き交渉をするのではなく、適正な価格での取引が行われ、過酷な環境で働いている一人一人の花火師に対して十分な報酬が行き渡る様になって欲しいと願っております。

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