日本の花火は円を描く花火が基本になります。この花火は制作時に星(色を出す火薬)を詰める時に球体を描く為、見る場所がメイン会場だろうが、飛行機からだろうが、それこそ花火の打ち上げ現場であろうが、円の状態に開花されます。

一方、ハートやスマイルマークなどの型物花火は見る方向次第では、ただの直線に見えてしまったりします。これはメイン会場で横一直線で見えた場合、飛行機から見るときちんとしたハートの形に見えるのです。ここまでは、花火の基礎知識です。

さて今回は、どんな花火の本にも書かれている、それこそ花火講座や花火観賞士試験でも、日本の花火はどこから見ても同じだと教えられていたのが嘘だったと言う検証コラムです。

以前から、何となくそんな感じはしていたのですが、ついにMitsuki SotomaさんとYuhei Uedaさんがデータを出し合ってお互いに現像すると言うツイッターの企画で検証されてしまいました。
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対象は先日行われた、第28回赤川花火大会の割物の部で出品された、紅屋青木煙火店(長野県)の昇り曲付四重芯変化菊。例年の事ながら赤川花火大会は風向きが思わしくなく、メイン会場で見るか花火の向こう側の田園で見るか頭を悩ませてしまいます。当然ながら、田園にはスピーカーなどは設置されていない為、花火観賞の観点からすれば魅力は半減です。

僕も今回はギリギリまで粘ったものの、やはり風向きを考えて田園での観覧。いよいよプログラムも終盤になり、この紅屋青木煙火店の花火を見た時はハッと息を呑みました。まるでコンパスで描いた、お手本になる様な見事な五重丸!(一番外側の円は数えない為、四重芯と呼ぶ)

これは、優勝で決まっただろうと思っていたら意外にも3位にすら入っていない様子。「ん?どうなってるんだろう?」と聞くと、メイン会場の観覧者からは「ちょっと形が…」との回答。そこで、冒頭の2人の企画が始まります。

Mitsuki Sotomaさんの作品

Yuhei Uedaさんの作品

メイン会場で見たMitsuki Sotomaさんと裏観覧の田園で見たYuhei Uedaさんの作品です。自分で撮った写真がそれぞれ最初に来ています。なお、NikonとSONYで違うメーカーのカメラを使っており、色の調整にも苦労したそうです。

こうして並べてみると一目瞭然。メイン会場の花火は一番外側(親星と呼ぶ)の上部が崩れており、星が抜けているのが少し目立ちます。また、芯の部分もライトグリーンと薄いピンクの部分が少し歪んでいます。これでは賞を貰えないのかもしれません。田園で見た花火とはこんなにも違うのです。

と言う訳で、花火はどこから見ても同じは嘘。若干の違いがあります。どこから見ても正円になる花火を作るのが如何に熟練した職人の技術をもってしても難しいのが分かったのではないでしょうか。競技大会の割物の部で優勝を獲得するには審査員側に正円が向く運の要素も必要になってきます。

ただし、これはあくまでもマニア向けの考察であり、一般的には花火はどこから見ても同じで良いのかも知れません。企画の実施、画像の提供、ありがとうございました!

素晴らしい写真を撮る2人なので、インスタグラムのフォローもお気軽にしてみてください!
Mitsuki Sotoma  Yuhei Ueda