花火の心得

日本が世界に誇れる芸術作品「花火」この文化を多くの人に「写真」を通して伝えたい。

HISTORY

近現代における花火の歴史

大政奉還後、時代は明治になり文明開化が起こり、海外から新たな花火の技術が入ってくる様になる。

幕末の動乱により中断していた両国の花火も5年振りに1868年(明治元年)に復活した。その時に初めて海外から花火を輸入して打ち上げてみたところ、あまりの明るさに驚いた様だ。その後、1874年には十代目鍵屋弥兵衛が現在見掛ける様な球体の花火を完成させた。また1878年には、明治天皇が長野へ巡幸された際に「菊の園」と言う現在のスターマイン(速射連発)の先駆けである200発の花火を披露した。

1875年にはマッチの原料である塩素酸カリウムが輸入される事になり花火業界は大変革を遂げる。この薬剤を加える事によりこれまで黒色火薬だと700℃程度の燃焼温度だったのが2000℃以上にも上がって金属粉を燃やす事が可能になり、現在見られる炎色反応による色付きの花火が作成可能になった。これ以降の花火を洋火と呼び、それ以前の花火を和火と呼ぶ。

その後、1887年頃になると新たな薬剤が輸入され、炭酸ストロンチウム(赤色)、硫酸バリウム(緑色)、炭酸銅(青色)がはっきりと出せる様になった。その後もマグネシウムやアルミニウム(銀色)の金属粉、赤爆と呼ばれる鶏冠石と塩素酸カリウムの混合物(雷に使われる爆発剤)なども使われる様になる。

当時の花火師たちは知識や経験不足より多くの事故を起こしながらも、日本の花火文化を急速に発展させていく。1889年2月11日の大日本帝国憲法発布では、皇居二重橋より初めて国産で色付きの記念花火を打ち上げた。

大正時代に入ると、各地で花火競技大会が実施され、花火の形状についても研究される様になる。千輪菊や菊花火の中に千輪が開く小割浮模様もこの頃に開発され、末期には二重丸に見える芯入り花火も見られる様になったそうだ。昭和3年には青木儀作氏が初めて競技大会で八重芯花火を打ち上げた。

しかし、昭和になると次第に戦争が激化する様になり各地で花火大会が中止される。花火師の技術力は火薬取扱者として戦争に利用され、花火工場は軍需の下請けとして稼働する様になった。

1945年(昭和20年)にようやく終戦になるが、花火は火薬を使用するのでGHQによる銃砲、刀剣類の規制に引っ掛かってしまい自由に製造や打ち上げができなくなる。

花火は武器とは違うと説明してもなかなか理解して貰えなかったが、丸玉屋煙火店(丸玉屋小勝煙火店)が掛け合って1948年には両国の花火が復活する。秋には細谷火工(ホソヤエンタープライズ)などによる第1回 全国花火コンクールが行われ、翌年からは両国の花火でコンクールも実施される様になる。戦後の動乱で花火どころではなかったが次第に各地で花火大会も開催される様になっていく。

1961年には花火の技術向上の為の組織として日本煙火芸術協会の設立、翌1962年には安全性や流通、事故による補償などを目的とした日本煙火協会が設立する。1967年には安全に消費するための技能認定をした打揚従業者手帳(煙火消費保安手帳)の制度を実施、1975年には、これまで塩素酸カリウムを使用していたものを安全性が高い過塩素酸カリウムに変更する為の追放キャンペーンも実施した。

1980年代に入ると新潟県の長岡まつりと片貝まつりで大玉の打ち上げ競争が始まる。これまで一番大きな花火は三尺玉だったが、三尺三寸、三尺五寸、四尺玉と歯止めが利かなくなった。1984年に片貝まつりで四尺玉に挑戦した後に通産省(経済産業省)が1発の花火には火薬量80kgと制限を加えた事によりこの争いは終結した。翌1985年に初の四尺玉の打ち上げが成功する。1988年にはTV局の企画で一度だけ北海道の洞爺湖で四尺六寸玉の水上花火を開花させる。

1990年中盤には多重芯時代に入った。それまでは三重芯花火が技術力の限界だったのが、菊屋小幡花火店の小幡清英氏による四重芯花火、数年後には紅屋青木煙火店の3代目青木昭夫氏による五重芯花火が製造される。現在、最も多重芯の花火が見られる大曲と土浦の全国花火競技大会では、2000年より優勝者に内閣総理大臣賞が授与される様になる。

1992年になるとカナダのモントリオールで開催された国際花火シンポジウムでは世界の花火師が集まり技術力の向上に寄与した。それ以降は定期的に様々な国で行われ、日本では2005年には滋賀県で第8回、2017年には秋田県大仙市で第16回が開催される。

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執筆者:

花火写真家として全国の良質な花火文化を記録や保存、そして拡散を目的に活動しています。年間で30~60回程度の花火撮影を行います。日本花火鑑賞士会関東支部会員。◎当サイト掲載の文章や画像の無断使用を禁止しています。
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