しばらく休憩があった後、夜花火の部が始まりました。
18:50より打ち上げ開始。まずは、オープニング曲である夢の空と共に両端から点火される500mのナイヤガラ付スターマインから始まる。

オープニング・ナイヤガラ付 スペシャルスターマイン
そして、競技大会が開始される。基準となる標準審査玉を打ち上げるのは地元、秋田県の北日本花火興業。競技の内容は3種目あり、全国から選ばれた28社が技を競い合う。その中でも創造花火の部が一番評価のウェイトを占め、総合優勝者として内閣総理大臣賞が授与される。
10号玉 芯入り割物の部 三重芯以上の割物花火
10号玉 自由玉の部 一発目と重複しない自由創造的な花火
創造花火の部 2分30秒以内、250発で世界観を表現する
なお、来年は5年に一度ある煙火店の入れ替える年になり、過去の成績などにより下位順位の業者が抜けてしまう厳しい戦いだ。
10号玉 芯入り割物の部
優勝 (長野県)太陽堂田村煙火店 昇り雄花四重芯変化菊
準優勝 (長野県)伊那火工堀内煙火店 昇り分砲付四重芯菊先紅緑白閃光
優秀賞 (茨城県)山﨑煙火製造所 昇曲付五重芯銀点滅
(静岡県)田畑煙火株式会社 昇曲導付四重芯菊先青紅光露
入賞 (長野県)信州煙火工業 昇曲導付四重芯引先黄閃光
(長野県)篠原煙火店 昇曲導付四重芯菊花の誉
(山梨県)マルゴー 昇り曲付三重芯変化菊
芯入り割物の部では、特別に群を抜くものはなかった様に思えた。それでも、優勝者である太陽堂田村煙火店が上位に来そうな感じはしていたので妥当な所でした。また、個人的にはマルゴーの競技玉が一番良かったのですが、やはり三重芯だった所がマイナス評価なのだろうか?

優勝 (長野県)太陽堂田村煙火店 昇り雄花四重芯変化菊

準優勝(長野県)伊那火工堀内煙火店 昇り分砲付四重芯菊先紅緑白閃光
10号玉 自由玉の部
優勝 (山梨県)マルゴー 春の訪れ
準優勝 (愛知県)磯谷煙火店 スノークリスタル
優秀賞 (長野県)伊那火工堀内煙火店 昇り分砲付八重芯朧菊
(茨城県)筑北火工掘米煙火店 曲導付青海に花あかり
入賞 (群馬県)菊屋小幡花火店 夜空を染める天竺牡丹
(長野県)信州煙火工業 彩色八方菊点滅花
(山梨県)齊木煙火本店 虹色のグラデーション
自由玉の部では、やはり、マルゴーが文句なしの優勝でした。昨年の全国花火競技大会でも、凄い玉を打ち上げたにも関わらず評価なしだったので、ようやくこの瞬間が訪れて良かったです。自由玉は各社、様々な工夫がされており、新作花火の見本市の様で素晴らしかったです。

優勝(山梨県)マルゴー 春の訪れ

準優勝(愛知県)磯谷煙火店 スノークリスタル
創造花火の部
優勝 (茨城県)野村花火工業 光の旋律
準優勝 (秋田県)大曲花火化学工業 輝く星へ感謝を込めて…。
優秀賞 (愛知県)磯谷煙火店 スノークリスタル ~オーロラに舞う雪の妖精~
(静岡県)イケブン 既月食【夜に届ける光イリュージョン】
(茨城県)山﨑煙火製造所 雅、奏でる
入賞 (山梨県)齊木煙火本店 雨の日は傘をひらいて踊ろうよ!
(山梨県)マルゴー 儚火 ~美しく咲き、そして散りゆく~
(長野県)信州煙火工業 Moonbow ~月夜に浮かぶ幻の虹~
(秋田県)小松煙火工業 玉桜 ~月光に揺れる華の舞~
(長野県) 伊那火工堀内煙火店 涙 ~あの恋を思い出して~
(長野県)紅屋青木煙火店 Masqueradの世界 ~儚くも優雅な時の流れ~
(群馬県)菊屋小幡花火店 神々の楽園 ~天空に咲く花~
創造花火の部では、大曲花火化学工業が忘れられない花火になった。今年の2月に響屋のお父さんこと、故・新山良治氏(先代社長)が亡くなられ、その感謝の想いを形にした花火だった。
内情を聞いているだけに、息子さんを始め、従業員一同が色々な想いを込めて作っている状況なども想い浮かび、涙なしでは見られない花火だった。準優勝も授与され、きっと喜んでいる事でしょう。

優勝(茨城県)野村花火工業 光の旋律

準優勝(秋田県)大曲花火化学工業 輝く星へ感謝を込めて…。
内閣総理大臣賞には茨城県の野村花火工業、特別賞には山梨県のマルゴー、秋田県の大曲花火化学工業が受賞した。
一応、内閣総理大臣賞は総合優勝の証として授与されるのだが、実は、野村花火工業は創造花火の部門だけの受賞になり、いくらウェイトが高いと言っても、ちょっと無理があるのではと思ってしまった。
特別プログラムでは、昨年、内閣総理大臣賞を受賞したイケブンが担当する事になっている。ちょっと大曲の花火らしくない派手な演出と音楽で、地元の人には受け入れられたのか少し心配になってしまった。個人的にはかなり自由度が高く楽しめましたが…。

特別プログラム メタモルフォーゼー (静岡県)イケブン
そして、会場のみんなが楽しみにしている大会提供花火。今回は、創造花火50周年記念の時と同様に、競技に参加している全28社から各社の持ち玉を集めて構成したプログラムになる。
最大打ち上げ幅900mに渡って壮絶なスターマインが打ち上がる。次々と煙火店特有の玉が打ち上がり、他ではまず見られない状況に驚く。次第に目の前が花火の壁となり、持ってるレンズでは全然入りきれない画角になった。
あっと言う間の6分間で、凄い花火だったのは間違いないのですが、個人的な感想としては、折角の花火なので、ただ横一線に打ち上げるのではなく、もっと一発一発を丁寧に見せてくれる演出にして欲しかったかな。

大会提供花火「歓喜」
フィナーレでは特大スターマインとして10号玉30連発を含めたプログラム。エンディング曲としていざないの街が流れ、形の良い花火が打ち上がった。きっと普通に見るなら八重芯ぐらいが丁度良いのでしょう。

フィナーレ・特大スターマイン
そして、大曲の花火になくてはならないのが観客から花火師さんへのお礼を込めて光のエール交換。 満天の星のテーマソングが流れ、色とりどりのライトが振られて美しかった。
このブログ、最長編になってしまった大曲の花火ですが、まだまだ、書き切れない程の内容があります。全国花火競技大会は行くだけでも大変ですが、花火が本当に好きな人であれば、一度は行ってみるべき場所です。主役は競技大会なので、間違っても大会提供花火を目的にしない様に…。